村八分堂書店

自分の本屋が持てないならネットで持てばいいじゃん。

恋ってアソビだからマゴコロー《夏の夜の夢》恋心が妖精に遊ばれる話

 

 

今回のお取り扱い

《夏の夜の夢》,ナツノヨルノユメ

ウィリアム・シェイクスピア 訳 福田恆存

 

ズバリどんな話?

『恋心が妖精に遊ばれる話』

 

扱いづらい恋心

 

誰に恋するか

分からない、

 

誰に恋されるか

分からない、

 

恋なんて

ただのうつろいやすい遊び心

しかも痛手になりやすい

 

誰もが知ってる恋の味

 

そんなありきたりな恋の味を

天才ウィリアム・シェイクスピア

さっと味変!

 

面白恋劇が出来上がっちゃいました!

 

 

どもども、

架空仮想書店村八分堂書店』 の期間バイト、

読ムマジロです(๑╹ω╹๑ )

 

いやー、

いきなりおセンチな文章から始まっちゃいました、

《今回のお取り扱い》٩( ᐛ )و

 

一応言っときますけど、これでも短くしたんですよ( ✌︎'ω')✌︎

僕、最初はもっとおセンチな文章書いてました

ウ、イ.イタイ_:(´ཀ`」 ∠):

 

さて、閑話休題(๑╹ω╹๑ )

 

今回お取り扱いする本は

本の題名よりも作者が有名かもしれません。

 

作者の名前は

William・Shakespeare

 

イタリックのアルファベットならなんでもカッコいいと思ってるお年頃です٩( ᐛ )و

 

でも、それにしてもなんて読むんだろう?

え、えーと、ういりあむしいえいくす、ウィリアム・シェイクスピア

 

シェイクスピアって超有名じゃん!

リア王》《オセロ》《ハムレット》《マクベス

あ、あと《ロミオとジュリエット》も!

 

限界集落村八分にあってネット上に追いやられらたこんな本屋にも、

お取り扱いがあるなんて、、、

い、いくらなんでも偉大すぎる・・・・

 

さて、閑話休題(๑╹ω╹๑ )

 

この本は一体どんな本か?

一言でいうと

 

『恋心が妖精に遊ばれる話』

 

いやー、それはそれは複雑な四角関係の男2女2がいたんですよー

 

曰く、王に認められ、キングパワーで結婚を迫る《デメトリアス

 

曰く、デメトリアスから迫られているけど、本当は別の人が好き《ハーミア》

 

曰く、両思いのハーミアと、こっそり駆け落ちしちゃおう《ライサンダー

 

曰く、デメトリアスに捨てられちゃったけど、まだ彼のことを愛してる《ヘレナ》

 

この三人の恋模様が描かれるんですけど、このテラスハウスには人間じゃない生命も住んでいます。

 

それは妖精

 

森にすむいたずら大好き妖精が、

若い男女のうつろいやすい恋心を利用して

恋の魔法をかけちゃいます。

 

「こっちの人を好きにな〜れ♡」

「あっちの人を好きにな〜れ♡」

 

目まぐるしく変わる男女四人の恋模様

はてさて本当の恋はどこにあるのか

 

全ては夏の夜の出来事だった・・・・・

 

 

 

ズバリ魅力は?

『手際良すぎ!シェイクスピアの劇作クッキング』

 

 

「まあ、作品紹介こそしたけどさ、」

「そりゃシェイクスピアが昔の偉い作家さんだってことは知ってるよ。」

「でも現代となっては正直ありきたりな物語にすぎないでしょ?」

「いや、これを王道にしたのがシェイクスピアなのかもしれないけどさあ」

「俺たちもうありきたりな話には飽きちゃってるんだよね」

 

ホールからはこのレストランに訪れた客たちの本音が聞こえてくる。

 

アイス、ガム、チョコレート、

ハンバーグにはチーズまで入ってるこの飽食の時代

 

シェイクスピアなんて昔の人が出てきて、俺たちに新しい味を教えられるのかい?」

 

そう、この時彼らは何も知らなかった。

 

現在使われてる英語を確立したのは誰か。

知らず知らずに使うあのフレーズの生みの親は誰か。

 

とあるドイツ文学の巨人はある人物を指して言った

《ほどほどに読んでおかないと、自分の才能の背丈に失望してしまう》

 

とあるSFの巨匠はある人物の作品について語った

《数十年先の未来まで書く小説がある現代に、数百年前から読み継がれている》

 

その人物は誰か

そう、彼こそがシェイクスピアだ。

 

厨房に入ったシェイクスピアは早速料理に取り掛かる。

それを見て驚きの声をあげる料理人たち

 

「なんと緻密なストーリーの構成!まるで大料亭の懐石料理のようだ!」

「なんて数のキャラを書き分けるんだ!取り扱う材料が中華どころの騒ぎじゃない!」

「展開が一切ダレない!給仕まで完璧かよ!このフレンチフルコース!」

 

「ストーリーの素材自体はいたってシンプル。」

「要は新しく妖精が入居してきたテラスハウスだ。」

 

「「「「にも関わらずなんだこの劇作力は!」」」」

 

《今回のお取り扱い》の魅力をズバリ

 

はい、物語の語り口が美味すぎるんです。

 

物語って、

昔聞いたおとぎ話にしても、

厨二の頃に書いた痛い小説にしても、

 

なんの物語を語るかも大切だけど、

どのように物語を語るかも大切なんです。

 

稲川淳二の怖い話だってそうでしょ?

 

どんな面白い物語を頭の中にイメージしても

 

それにちゃんとした

 

・構成

・描写

・叙述

 

をつけて、

その上具体的な文章にして

紙に落とし込まなければいけない。

 

どのように物語を語るのかは

なんの物語を語るよりも

ひょっとしたら重要なのかもしれません。

 

しかもシェイクスピア小説じゃなくて戯曲

まあ、劇作のことなんですけど、

つまりほぼ全ての展開をセリフのみで書かなければなりません。

 

セリフだけで子供に『桃太郎』を楽しんでもらうなんて難しい注文でしょ?

でもシェイクスピアはそのオーダーにこたえることができちゃうんです。

 

 

 

 

ズバリ読んでどう思った?

『恋心って遊び心であるうちの方が真心なのかもしれないな』

 

散々シェイクスピアの劇作力の高さに注目してきたわけですが、

僕がこの作品から感じとったメッセージはこれです。

 

先の男女四人は、好きよ嫌いよをあれこれやって、

まるで夏の夜の夢から覚めたようにモトのさやに収まって、

 

新婚の王様と一緒に

合計三組の婚礼の宴を開くんですが、

 

読者である僕は

「なんだ、恋なんて所詮うつろいやすい遊び心に過ぎないのか」

と思いながら、

 

 

彼らとともにクソ下手な劇中劇を眺めます。

 

ありきたりな恋の劇、

役者も演出もヘッタクソすぎて見てられない。

 

でもそんな劇を見ながら僕はふと思うのです。

「ああ、恋って外から見たら下らないからこそ尊いのかもしれないな」

と。

 

例えば愛と比べましょう。

 

愛に比べて恋には責任がありません

いっときの感情に流されてもいるし、

家事や育児をどっちがやるかの話し合いもないでしょう。

 

《恋は盲目(Love is blind)》とはよくいった言葉ですが、

 

それは他のものが見えなくなるほど

夢中になって遊んでいるということかもしれません。

 

児戯こそ聖なる誕生。

 

子供の遊びは

見ているこっちが老いていくほど

 

生まれたての喜びが次々と湧いてきます

 

そして子供達は遊びに誠実

 

大人の仕事よりも、

子供の遊びの方がずっと真心がある

 

そういう点で見れば、

マジメな愛よりアソビの愛の方が優れているかもしれませんね。

 

だって、出会っていきなり愛を誓われるよりも、

まずは恋で遊ばせてくれるひとの方がずっと心がこもってるでしょ?

 

シェイクスピアが何を言いたかったのかは

わかりませんが

 

僕は愛に対して恋の優越が歌われているように感じました。

 

 

さて、閑話休題(๑╹ω╹๑ )

 

今回の名シーン

『へったクソな面白い劇だったなあ、皆の衆!さて、では各カップルこれからベットに移動して、この後めちゃくちゃセッ◯スしよう! 』

(のシーン)

 

突然の下ネタ誠にすいませんm(_ _)m

 

例の劇中劇を見終わった後の

王様のセリフですね。

この王様も新婚です。

 

いや、正確には言ってねーけど、

これと似たよーな雰囲気の会話が出てきます。

(訳の雰囲気もあるかもしれませんね)

さあ、恋人たち、新床が待っているーーーそろそろ妖精どものさまよい歩くころおい・・・このぶんでは、あすの朝、寝すごしそうだ、だいぶ夜ふかしをしたからな。なんともたわいのない芝居ではあったが、遅い夜の歩みをまぎらわしてくれた・・・さあ、みんな、おひらきとしよう

 

この後、新婚サン達は手を携えて退場。

夏の夜の夢から覚めて、熱い熱い熱帯夜へ。

 

 

いやー、『新床が待ってる』なんて威風堂々とした王様ですね。

 

『だいぶ夜更かしをしたから』『あすの朝、寝過ごしそうだ』

だなんてホントかな?ウフフ

 

んでもって妖精の語りをはさんで終劇。

 

というわけでこの記事もおひらきとしましょう!

 

恋に幸あれ!