自立≠1人で出来る?ー《生きる技法》安冨歩『みんなが欲しかったケイザイの本』
本日のお取り扱い
《生きる技法》安冨歩
ズバリどんな本?
・『みんなが欲しかったケイザイの本』
経済学書を読む目的は、
ズバリ、お金持ちになりたいから!
それは今あるおサイフのイン&アウトを経済学的に効率よくすることで成し遂げられるじゃなかろうか?
おサイフの中身は、どう使うのが一番いいんだろう?
だけど巷の経済学書は難しい数式と不可解な原理原則ばかりが書かれていて、おサイフのことなんてこれっぽっちも分からない。
第一おサイフにはお金しか入ってないという建前で書かれているし。
体力、気力、コミュ力。交換、譲渡、受取可能なもの、それら全てが入っているのが私たちのおサイフ。
巷の経済学=スマイルゼロ円。そんなわけあるか。
私たちは汗水垂らしてお金をやりくりしてるんです!
生命そのものと言えるエネルギーを毎日絞りだして労働してるんです!
『そのおサイフのやりくり=経済が、金で全部片付けられてたまるか!』
そう思ってるそこのあなた!ぜひこの本をお読み下さい!
この本には、そんな経済のことが書かれています!
ズバリ魅力は?
・『簡単な発想の転換から次々と常識が打ち破られる、まるで美しいパスサッカー!』
この本は東大教授の経済学者が書いた経済学の本。それも経済という大きな現象を前に、私たちが具体的にどういう構えで臨めばいいのか、その構えからどんな経済が生まれるのか、それが書かれた貴重な実践指南書。
ヤストミアユミ?トウダイキョウジュ?
なんだか小難しいことが書いてありそうな本だな?
そんなことありません。
この本は、小難しいことを言って読者を煙に巻く、そんな本ではありません。
もっとシンプルに本当に納得出来る知識から始めて、そこから『なるほど』と膝を打つような結論にたどり着く。
この本は、そんな知の醍醐味で書かれた本
知識というボールをちゃんと受け取り、当然導き出される発想に繋げるだけで、こんなにも常識は変わるのか!
そんな体験が味わえる!
『自立とは、多くの人に依存することである』
それこの本のスタートライン。
これだけでも『確かに』と思うようなフレーズ。ですが、この本はそこで止まらない。
このちょっとした発想の転換から、膝を打つような『なるほど!』が次々と生まれて、次々に別の『なるほど!』につながっていきます。
『依存する相手が減るとき、人はより従属する』
『誰とでも仲良くしようとすると、誰とも仲良く出来ない』
『自由とは選択の自由ではない』
『幸福とは、手に入れるものではなく、感じるものである』
ですが言われてみればどれもこれもどこかで聞いたことがあるようなフレーズな気がしないでもない。
しかしこの本の著者、
安冨歩《ヤストミ アユミ》さんは、
これらのフレーズをご本人が
『生きるための根本原理』
と名付けたたった一つの導入、
『自立とは多くの人に依存することである』
という原理から、真っ当に思考し、一つの流れ、しかも経済とは何か?に答えるような道筋で、上記のフレーズを導き出します。
この流れ自体をヤストミモデルと名付けるとしましょう。
このヤストミモデルの中に位置付けられた時、上の陳腐ともいえるフレーズ達は『なるほど!』と膝を打つ、磨き抜かれた真実になります。
その論理展開はまるで美しいパスサッカー
厚さでいうと2センチにも満たないようなこの本の中に、ドラマチックな《知》の展開が詰まっています!
ズバリどう思った?
『友だち作りたい』
この本の中で最も推奨されていること
それは友だちを作ること
そこから全ての繋がり=経済が始まります。
ですが、誰とでも仲良くすることによって出来る友だちは友だちじゃないとも明言されます。
『友達とは、互いに人間として尊重しあう関係にある人のことである』
『互いに人間として尊重しあう、とは、お互いの真の姿を常に探求し、勝手な像を押し付けない、ということである』
つまりどんなに関わり合いを持って、相手に対する知識が増えたとしても、まだ未知なのが友達。
友達に対する学習を、どこまでも終わりせずに、どこまでも続けあうのが友達。
そんな人間関係って魅力的じゃありませんか?
そんな友だちに出会ってみたいと思いませんか?
本日の名シーン
『友達だと思っていても、それは相互に利益を与えあっているだけ』
改めてこの本を見返した時、ここで『えっ』と思いました。
『相互に利益を与えあう』って、もしも経済で成り立っていたとしたらとてもステキなことじゃありませんか?というかそれ以上魅力的な経済がありますか?
だって世の中の経済学者は、みんなこれが《均衡》というカタチで成り立つことを目指しているんでしょ?
そんな最高の経済を『だけ』って言って切って捨てる安冨歩の経済観は一体どんなものなんでしょう?
この本を学んだだけでもその片鱗らしいものをなんとなく掴んだ気にはなれますが、それが腑に落ちるには、この本を読んだ後も習い続ければなりません。
『学びて時にこれを習う、また、たのしからずや』
学んだことが、ある時ビビっときて腑に落ちる。
それが学習のよろこびなのかもしれません。
学習に幸あれ(╹◡╹)/